コノハナノサクヤビメは、日本の神話に登場する女神です。
現代では、富士山浅間神社や、安産や子育ての神として子安神社に祀られています。
ニニギノミコトからの求婚
天照大神から葦原の中つ国を支配するように命じられ、高天原（天津神の住む世界）からニニギノミコトが降臨します。
ニニギは日向国（現在の宮崎県）に降臨するのですが、その際にコノハナノサクヤビメに一目惚れをし求婚します。
ニニギが一目惚れしただけあり、神話の中でもコノハナノサクヤビメは絶世の美女といわれるほどの美しさであったとされています。
ちなみに、ニニギは天照大神の孫であり、初代天皇神武天皇の曽祖父でもあります。
神話上の話ですが、現在の皇室の先祖に当たりますね。
この時に、コノハナノサクヤビメの父であるオオヤマツミ（大山津見神）は姉のイワナガヒメも同時に差し出します。
しかし容貌が醜いイワナガヒメはニニギから送り返されてしまいます。
これに怒ったオオヤマツミはこう言います。
「イワナガヒメを同時に差し出したのは、ニニギの子孫が岩のように永遠の命であることを願ってのことであったのに、これでニニギの子孫の寿命は花のように短くなるだろう」
こののち、ニニギの子孫（現在の天皇家）は神ほどの寿命は持たずに、花のように短い寿命となったとされています。
安産の神と言われる理由
ニニギと結ばれたコノハナノサクヤビメですが、一夜にして身籠ります。
しかし、ニニギが自分の子ではないのではないかとの疑いをもったため、疑いを晴らすため産屋に火をかけてその中で出産をします。
火の中でも出産することができるのであれば、神であるニニギの子であるという証明になります。
このことから、コノハナノサクヤビメは安産の神とされています。
全国に所在する子安神社の祭神ともされていますね。
ちなみに、このとき産んだ神のうちホオリノミコト（火遠理命）の孫が、初代天皇の神武天皇となります。
神話の中の人物（神？）で、実在の人物かどうかはわかりませんが、現在の天皇家にもその血筋が受け継がれているのです。